Linuxでディレクトリサイズを確認する方法:コマンドとツールの包括ガイド

LightNode
By LightNode ·

はじめに

Linuxシステムでは、ディレクトリサイズの監視はシステム管理者や一般ユーザーにとって基本的な作業です。データが増加するにつれて、ディレクトリが大きくなり、ディスク容量不足やシステム性能の低下を引き起こす可能性があります。ディレクトリサイズを定期的に確認することで、ディスク容量の効率的な管理が可能になり、大容量ファイルやディレクトリを特定して対処する助けになります。

ディレクトリサイズ監視の重要性

  • ディスク容量の効率的な管理

    ディスク容量を効果的に管理することは、システムの健全性を維持する上で重要です。ディレクトリサイズを把握することで、ストレージを最適に活用できます。このプロアクティブなアプローチにより、予期せぬ容量不足を回避し、作業効率の低下を防ぎます。

  • ストレージ不足によるシステム問題の防止

    ディスク容量不足は、アプリケーションエラーやファイル保存の失敗、さらにはシステムクラッシュなど、さまざまな問題を引き起こします。ディレクトリサイズを監視することで、問題が深刻化する前に対応でき、システムの安定性とデータの完全性を保てます。

  • 大容量ファイルやディレクトリの特定

    時間が経つにつれて、一部のファイルやディレクトリが予想以上に大きくなり、ディスク容量を過剰に消費することがあります。定期的なチェックでこれらの原因を特定し、削除、アーカイブ、または移動するかを判断できます。特にログファイルやバックアップ、メディアファイルの管理に有効です。

主なシナリオ

  • システム管理と保守

    システム管理者は、サーバーやワークステーションがスムーズに動作するよう維持する必要があります。ディレクトリサイズの監視は日常的な保守作業の一環であり、リソース管理やクリーンアップのスケジュール設定、ストレージ拡張計画の作成に役立ちます。

  • 不要なファイルのクリーンアップ

    一時ファイルやキャッシュ、アンインストールしたアプリケーションの残留データは時間とともに蓄積し、貴重なスペースを占有します。ディレクトリサイズを確認することで、これら不要なファイルを特定し削除し、システム性能を最適化できます。

  • マルチユーザー環境でのユーザーディレクトリ監視

    マルチユーザーシステムでは、特定のユーザーが過剰にディスク容量を使用するのを防ぐ必要があります。定期的な監視により、ディスククォータの実施やリソースの公平な割り当てが可能になり、大容量の個人メディアファイルの保存など不正な使用を特定できます。

ディレクトリサイズを確認する基本コマンド

Linuxでは、ディレクトリやファイルのサイズを確認するためのコマンドラインツールがいくつかあります。その中でも、du(Disk Usage)コマンドは、シンプルで多機能なため最もよく使われています。

du コマンドの使用

du コマンドは「Disk Usage」を意味し、ファイルスペース使用量を推定するために使用されます。ディレクトリ内の各ファイルの使用量を集計し、再帰的にディレクトリを調査します。このコマンドはディスク容量を効率的に管理する上で欠かせません。

基本的な使い方

du コマンドの一般的な構文は以下の通りです:

du [options] [file or directory]

ファイルやディレクトリを指定しない場合、du はデフォルトで現在のディレクトリを対象とします。

主なオプション

  • -h (Human-readable): サイズを人間が読みやすい形式(例:K=キロバイト、M=メガバイト、G=ギガバイト)で表示します。

  • -s (Summarize): 指定されたディレクトリまたはファイルの合計サイズのみを表示します。

  • -a (All): ファイルとディレクトリの両方を出力に含めます。

  • --max-depth (Maximum Depth): 特定のディレクトリ深度までの出力に制限します。

使用例

ディレクトリの合計サイズを人間が読みやすい形式で表示

-s-h オプションを組み合わせて、ディレクトリの合計サイズを確認します:

du -sh /path/to/directory

説明:

  • -s: サブディレクトリのリストではなく、合計サイズを表示します。
  • -h: 出力を人間が読みやすい形式にフォーマットします。

出力例:

1.5G    /path/to/directory

サブディレクトリとファイルのサイズ一覧を表示

ディレクトリ内の各ファイルやサブディレクトリのサイズを確認したい場合は、-a-h オプションを使用します:

du -ah /path/to/directory

説明:

  • -a: 出力にすべてのファイルを含めます。
  • -h: サイズを人間が読みやすい形式にフォーマットします。

出力例:

4.0K    /path/to/directory/file1.txt
12M     /path/to/directory/subdirectory
1.5G    /path/to/directory

特定のディレクトリ階層までのサイズを表示

出力を特定のディレクトリ階層までに制限するには、--max-depth オプションを使用します:

du -h --max-depth=1 /path/to/directory

説明:

  • --max-depth=1: 指定したディレクトリ内のトップレベルコンテンツに出力を制限します。

出力例:

500M    /path/to/directory/subdirectory1
1.0G    /path/to/directory/subdirectory2
1.5G    /path/to/directory

du を他のコマンドと組み合わせる

最大サイズのディレクトリを検索

dusorthead コマンドと組み合わせることで、最大サイズのディレクトリやファイルを見つけることができます:

du -h /path/to/directory | sort -hr | head -n 10

説明:

  • du -h: ディレクトリとサブディレクトリのサイズを人間が読みやすい形式で一覧表示します。
  • sort -hr: 出力を人間が読みやすい形式で降順(大きい順)に並べ替えます。
  • head -n 10: 上位10件を表示します。

出力例:

1.5G    /path/to/directory
1.0G    /path/to/directory/subdirectory2
500M    /path/to/directory/subdirectory1
...

複数のディレクトリサイズを確認

複数のディレクトリのサイズを一度に確認するには、du コマンドの末尾にディレクトリを列挙します:

du -sh /path/to/directory1 /path/to/directory2

出力例:

500M    /path/to/directory1
1.0G    /path/to/directory2

特定のファイルやディレクトリを除外

du の出力から特定のファイルやディレクトリを除外するには、--exclude オプションを使用します:

du -sh /path/to/directory --exclude="*.log"

説明:

  • --exclude="*.log": 拡張子が .log のファイルをすべて除外します。

見かけのサイズとディスク使用量の表示

デフォルトでは、du はディスク使用量を報告しますが、これはファイルシステムのオーバーヘッド、スパースファイル、圧縮の影響で見かけのサイズと異なる場合があります。見かけのサイズを表示するには、--apparent-size オプションを使用します:

du -sh --apparent-size /path/to/directory

ncdu を使ったインタラクティブな分析

基本的なコマンドである du も便利ですが、Linux にはディスク使用量をよりインタラクティブかつ視覚的に分析できる高度なツールがあります。それにより、大容量ファイルやディレクトリを迅速に特定し、ディスク容量の管理が効率化されます。

ncdu とは?

ncduNCurses Disk Usage の略で、ディスク使用量を高速かつインタラクティブに分析できるコマンドラインツールです。テキストベースのユーザーインターフェースを備え、リアルタイムでディレクトリのナビゲートやサイズ順のソートが可能です。

主な特徴

  • インタラクティブなインターフェース: キーボードの矢印キーでディレクトリを操作。
  • 高速分析: 従来の du コマンドよりも高速にスキャン。
  • 簡単なソート: サイズ順にディレクトリやファイルを並べ替え。
  • 削除機能: インターフェースから直接ファイルやディレクトリを削除可能。

インストール

ncdu はすべてのLinuxディストリビューションでプリインストールされているわけではありませんが、ほとんどのリポジトリで利用可能です。

  • Debian/Ubuntu:

    sudo apt-get install ncdu
    
  • CentOS/RHEL:

    sudo yum install ncdu
    
  • Fedora:

    sudo dnf install ncdu
    

使用方法

ncdu を使用してディレクトリを分析するには、以下を実行します:

ncdu /path/to/directory

パスを指定しない場合、デフォルトで現在のディレクトリを対象にします。

インターフェースの操作

  • 上下矢印キー: ファイルやディレクトリのリストをナビゲート。
  • Enterキー: 選択したディレクトリに移動。
  • 左矢印キー または Backspaceキー: 前のディレクトリに戻る。
  • nキー: 名前順にソート。
  • sキー: サイズ順にソート。
  • dキー: 選択したファイルやディレクトリを削除。
  • qキー: ncdu を終了。

使用例

  1. ホームディレクトリで ncdu を起動:

    ncdu ~
    
  2. スキャンが完了するのを待ちます。インターフェースには、サイズ順に並べられたディレクトリとファイルが表示されます。

  3. 矢印キーを使用してナビゲートし、大容量のファイルやディレクトリを特定します。

  4. 不要なファイルやディレクトリを削除するには、d キーを押します(注意して使用してください)。

ncdu のメリット

  • 高速性: 大規模なディレクトリも従来の du より速くスキャン。
  • インタラクティブ性: ディスク使用量のブラウズが簡単。
  • 利便性: ファイル削除などの即時対応が可能。

tree コマンドを使った視覚化

tree コマンドは、ディレクトリ構造を階層的に表示するツールです。追加オプションを使用することで、ファイルやディレクトリのサイズも表示できます。

インストール

tree はデフォルトでインストールされていない場合がありますが、簡単に追加できます。

  • Debian/Ubuntu:

    sudo apt-get install tree
    
  • CentOS/RHEL:

    sudo yum install tree
    
  • Fedora:

    sudo dnf install tree
    

基本的な使い方

現在のディレクトリのツリー構造を表示するには:

tree

特定のパスのディレクトリツリーを表示するには:

tree /path/to/directory

主なオプション

  • -h (Human-readable): サイズを人間が読みやすい形式で表示。
  • -d (Directories Only): ディレクトリのみをリスト表示。
  • -L (Level): ディレクトリツリーの最大深度を指定。
  • --du: 各ディレクトリの累積サイズを表示。

使用例

ファイルサイズを含むツリー表示

tree -h /path/to/directory

出力例:

/path/to/directory
├── [4.0K]  file1.txt
├── [12M ]  file2.bin
└── [1.5G]  subdirectory
    ├── [500M]  file3.iso
    └── [1.0G]  file4.tar.gz

1 directories, 4 files

サイズ付きでディレクトリのみを表示

tree -dh --du /path/to/directory

説明:

  • -d: ディレクトリのみをリスト表示。
  • -h: サイズを人間が読みやすい形式にフォーマット。
  • --du: 各ディレクトリの累積サイズを表示。

出力例:

[1.5G]  /path/to/directory
└── [1.5G]  subdirectory

2 directories

ディレクトリ探索の深度を制限

tree -h -L 2 /path/to/directory

説明:

  • -L 2: 深さを2階層に制限。

tree を使うメリット

  • 視覚的な表現: ディレクトリとファイルの階層構造が一目でわかる。
  • 出力のカスタマイズ: サイズやファイルタイプ、深さなどを指定可能。
  • 迅速な概要把握: 構造を理解し、大容量ディレクトリを特定するのに便利。

ncdutree の他ツールとの組み合わせ

ncdu の結果をエクスポートして分析

  • 結果をファイルに保存:

    ncdu -o output_file.json /path/to/directory
    
  • 保存した結果を読み込む:

    ncdu -f output_file.json
    

treegrep と組み合わせる

treegrep を組み合わせると、特定のファイルやパターンを検索できます。

tree /path/to/directory | grep "pattern"

例: .log ファイルをすべて探す:

tree /var/log | grep ".log"

GUIツールを使ったディレクトリサイズの確認

コマンドラインツールは強力で効率的ですが、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)ツールは、より直感的で視覚的なアプローチを提供します。これらのツールは、テキストデータよりも視覚的な表現を好むユーザーや、コマンドラインに不慣れなユーザーに特に役立ちます。

Gnome Disk Usage Analyzer (Baobab)

Gnome Disk Usage Analyzer、通称 Baobab は、ディスク使用量に関する詳細情報を提供するグラフィカルアプリケーションです。視覚的な表現を通じて、大容量ファイルやディレクトリを簡単に特定できます。

  • グラフィカル表示: リングチャートやツリーマップを使用してディスク使用量を表示。
  • リアルタイムモニタリング: ディスク使用量情報を動的に更新。
  • リモートスキャン: FTP、SSHなどのプロトコルを介してリモートディレクトリを分析可能。
  • 簡単なナビゲーション: クリック操作でディレクトリを掘り下げ可能。

インストール

Baobab は Gnome ベースのLinuxディストリビューションではデフォルトで含まれている場合があります。含まれていない場合は、パッケージマネージャーを使用してインストールできます。

  • Debian/Ubuntu:

    sudo apt-get install baobab
    
  • Fedora:

    sudo dnf install baobab
    
  • CentOS/RHEL:

    sudo yum install baobab
    

使用方法

  • Baobab の起動:

    • アプリケーションメニューから: "Disk Usage Analyzer" または "Baobab" を探す。

    • ターミナルから:

      baobab
      
  • ディレクトリをスキャン:

    • ホームフォルダ: "Scan Home" をクリックしてホームディレクトリを分析。
    • ファイルシステム: "Scan Filesystem" をクリックしてシステム全体を分析。
    • 特定のフォルダ: "Scan a Folder" を使用して特定のディレクトリを選択。
  • 結果の解釈:

    • リングチャートビュー: 同心円を用いてディスク使用量を視覚化。
    • ツリービュー: サイズ情報を含む階層リストを表示。
    • 詳細ペイン: パスやサイズなど、選択項目に関する追加情報を表示。

Baobab の利点

  • ユーザーフレンドリー: コマンドラインツールよりGUIを好むユーザーに最適。
  • 視覚的な洞察: グラフィカルな表示で大容量のファイルやディレクトリをすぐに特定可能。
  • インタラクティブな探索: ディレクトリを簡単にナビゲートし、ディスク使用状況を確認。

KDirStat と QDirStat

KDirStatQDirStat は、Unix の du コマンドを元に作られたディスク使用量を視覚化するグラフィカルツールです。

  • KDirStat: KDE 環境向けに開発されたツール。
  • QDirStat: Qt ベースの後継ツールで、より多機能でクロスデスクトップ互換性あり。

主な特徴

  • ツリーマップの可視化: サイズに応じて色分けされた長方形でファイルやディレクトリを表示。
  • ファイル操作: インターフェースから直接ファイルを削除または開くことが可能。
  • カスタマイズ: フィルタリングやカスタム分析が可能。
  • クロスプラットフォーム対応: QDirStat はさまざまなLinuxデスクトップ環境で動作。

インストール

QDirStat は現在も活発にメンテナンスされており、KDirStat より推奨されます。

  • Debian/Ubuntu:

    sudo apt-get install qdirstat
    
  • Fedora:

    sudo dnf install qdirstat
    
  • CentOS/RHEL:

    sudo yum install qdirstat
    

使用方法

  • QDirStat の起動:

    • アプリケーションメニューから: "QDirStat" を検索。

    • ターミナルから:

      qdirstat
      
  • ディレクトリのスキャン:

    • 起動後、解析したいディレクトリを選択。
    • アプリケーションがスキャンしてディスク使用量を表示。
  • 結果の解釈:

    • ツリーマップビュー: カラフルな長方形でファイルやディレクトリを表現。
    • ディレクトリツリー: サイズと割合を表示する階層的なビュー。
    • アクション: 右クリックで削除、開く、または詳細を表示。

QDirStat の利点

  • 詳細な視覚化: ツリーマップにより大容量ファイルを素早く特定。
  • インタラクティブなインターフェース: アプリケーションから直接操作可能。
  • 高度なオプション: カスタムスクリプトや高度なフィルタリングをサポート。

Filelight

主な特徴

Filelight は、ディスク使用量を同心円チャートで表示する KDE ベースのGUIツールです。

  • ラジアルマップの可視化: 円形フォーマットでディスク使用量を表示。
  • インタラクティブなナビゲーション: クリック可能なセグメントでディレクトリを簡単に探索。
  • 表示のカスタマイズ: 色のテーマや表示オプションを調整可能。

インストール

  • Debian/Ubuntu:

    sudo apt-get install filelight
    
  • Fedora:

    sudo dnf install filelight
    

使用方法

  • Filelight の起動:

    • アプリケーションメニューから: "Filelight" を検索。

    • ターミナルから:

      filelight
      
  • ディレクトリのスキャン:

    • インターフェースからスキャンしたいディレクトリを選択。
    • ラジアルマップ上でセグメントをクリックし、詳細を表示。

Filelight の利点

  • 直感的なデザイン: ラジアルマップは視覚的に魅力的で理解しやすい。
  • 迅速な特定: どのディレクトリやファイルが容量を多く占めているかを簡単に特定可能。
  • 統合性: KDE 環境での動作に適している。

GUI ツールを使用するタイミング

利点

  • 使いやすさ: GUI ツールは、コマンドラインに慣れていないユーザーにとってよりアクセスしやすい。
  • 視覚的表現: 複雑なディレクトリ構造やディスク使用状況を理解しやすくする。
  • インタラクティブな探索: ナビゲーションが簡単で、ファイルやディレクトリに対する即時のアクションが可能。

注意点

  • リソース使用量: GUI ツールは、コマンドラインユーティリティよりもシステムリソースを多く消費する場合がある。
  • 利用可能性: ヘッドレスサーバーや最小インストールでは、すべてのGUIツールが利用可能とは限らない。
  • 学習コスト: ユーザーフレンドリーではあるが、すべての機能を完全に理解するには時間がかかることがある。

ディスク使用量監視の自動化

ディレクトリサイズを手動で監視するのは時間がかかり、特にデータが頻繁に変化するシステムでは非効率的です。プロセスを自動化することで、手動でのチェックなしに潜在的なディスク容量の問題に迅速に対応できます。このセクションでは、シェルスクリプトと cron ジョブを使用したディスク使用量監視の自動化方法を説明します。

サンプルスクリプト: ディレクトリサイズの監視

以下は、指定したディレクトリのサイズをチェックし、サイズが事前設定されたしきい値を超えた場合にアクションを実行する Bash スクリプトです。

#!/bin/bash

# 監視対象のディレクトリ
DIR="/path/to/directory"

# サイズしきい値 (キロバイト単位, 例: 1GB = 1000000 KB)
THRESHOLD=1000000

# 現在のディレクトリサイズを取得 (キロバイト単位)
SIZE=$(du -s "$DIR" | awk '{print $1}')

# サイズがしきい値を超えた場合の処理
if [ "$SIZE" -ge "$THRESHOLD" ]; then
    # 例: メールで通知 (メールユーティリティが設定されている必要あり)
    echo "Directory $DIR has exceeded the size threshold of $THRESHOLD KB. Current size is $SIZE KB." | mail -s "Disk Usage Alert for $DIR" [email protected]

    # イベントをログに記録
    echo "$(date): $DIR size is $SIZE KB, exceeding the threshold of $THRESHOLD KB." >> /var/log/disk_usage.log

    # その他のアクションを追加可能 (例: 古いファイルの削除やアーカイブ)
fi

cron ジョブでスクリプトをスケジュール

  1. crontab ファイルの編集

    現在のユーザーの crontab を開く:

    crontab -e
    
  2. cron ジョブを追加

    スクリプトを毎日深夜に実行するには、次の行を追加:

    0 0 * * * /path/to/script.sh
    

    フォーマット説明:

    • (0): 時間内の分 (0-59)
    • (0): 日内の時間 (0-23)
    • (*): 毎日
    • (*): 毎月
    • 曜日 (*): 毎週
  3. 保存と終了

    • ファイルを保存してエディタを終了します。これで指定した時間に cron ジョブがスケジュールされました。

Cron のスケジューリング例

  • 毎時実行: スクリプトを毎時0分に実行します。

    0 * * * * /path/to/script.sh
    
  • 30分おきに実行: スクリプトを30分おきに実行します。

    */30 * * * * /path/to/script.sh
    
  • 特定の日に実行: スクリプトを毎週日曜日の午前2時に実行します。

    0 2 * * 0 /path/to/script.sh
    

Cron ジョブの確認

  • Cron ジョブの一覧表示: 現在のユーザーのすべての cron ジョブを表示して、スケジュールを確認します。

    crontab -l
    
  • Cron ログの確認: スクリプトが正常に実行されているかを確認するには、cron ログを確認します。多くのシステムでは、cron ログは /var/log/cron または syslog ファイル内にあります。

例: 複数ディレクトリの監視

スクリプトを拡張して複数のディレクトリを監視するには、ディレクトリのリストをループ処理します。

#!/bin/bash

# 監視対象のディレクトリ一覧
DIRS=("/path/to/directory1" "/path/to/directory2")

# サイズしきい値 (キロバイト単位)
THRESHOLD=1000000

for DIR in "${DIRS[@]}"; do
    SIZE=$(du -s "$DIR" | awk '{print $1}')
    if [ "$SIZE" -ge "$THRESHOLD" ]; then
        echo "$(date): $DIR size is $SIZE KB, exceeding the threshold of $THRESHOLD KB." >> /var/log/disk_usage.log
        # 必要に応じて追加のアクションを記載
    fi
done

システム監視ツールとの統合

より高度な監視とアラート機能を求める場合、ディレクトリサイズチェックを NagiosZabbixPrometheus などのシステム監視ツールに統合できます。

Nagios の使用

  • カスタムプラグインを作成: Nagios プラグイン形式でスクリプトを作成します。
  • サービスの定義: Nagios で定期的にプラグインを実行するよう設定します。
  • しきい値の設定: 警告と重大のしきい値を定義します。

Zabbix の使用

  • ユーザーパラメータの作成: Zabbix エージェント設定でカスタムアイテムを定義します。
  • トリガーの設定: しきい値超過時にトリガーを作成します。
  • アクションの設定: 通知や自動応答を設定します。

Prometheus の使用

  • エクスポーターの作成: ディレクトリサイズメトリクスを提供するカスタムエクスポーターを作成します。
  • メトリクス収集: Prometheus にエクスポーターからメトリクスを収集させます。
  • アラート設定: Prometheus Alertmanager を使用して条件に応じた通知を送信します。

ログ監視の利用

スクリプトがログに記録する場合、LogwatchLogrotate のようなログ監視ツールを使用してログを管理および分析できます。

  • Logwatch: システムログをもとにレポートを生成し、カスタムログも含めることが可能です。
  • Logrotate: ログファイルを圧縮、削除、またはローテーションすることでサイズ管理を行います。

自動監視のベストプラクティス

適切なしきい値を設定

  • ディスク容量が不足する前に対応できるよう、十分な時間を確保できるしきい値を設定します。
  • ディレクトリごとの通常の使用パターンに応じて異なるしきい値を設定することを検討してください。

スクリプトを徹底的にテスト

  • スクリプトを手動で実行して期待通りに動作することを確認します。
  • 存在しないディレクトリや権限の問題などの例外ケースも確認します。

スクリプトを安全に保管

  • スクリプトは適切な権限で安全な場所に保管してください。
  • スクリプト内にパスワードなどの機密情報をハードコーディングしないでください。

通知を適切に設定

  • 過剰な通知による「通知疲れ」を避けるため、アラートを適切に構成します。
  • 警告レベル(例: 警告、重大)を設定して対応の優先順位を明確にします。

ログを維持

  • スクリプトの実行履歴や実行結果をログに記録します。
  • 定期的にログを確認して傾向や繰り返し発生する問題を特定します。

リソース管理

  • スクリプトが効率的に動作し、過剰なシステムリソースを消費しないようにします。
  • 自動削除やアーカイブは注意して実行し、意図しないデータ損失を防ぎます。

Check Diractory Size in Linux

よくある質問 (FAQs)

Linux でコマンドラインを使ってディレクトリサイズを確認するにはどうすればいいですか?

du コマンドを使用してディレクトリサイズを確認できます。簡潔で人間が読みやすい形式で出力するには、以下を実行します:

du -sh /path/to/directory

du コマンドの -h オプションは何をしますか?

-h オプションは 人間が読みやすい形式 を意味します。サイズを Kilobytes (K)、Megabytes (M)、Gigabytes (G) などの単位でフォーマットします。

特定のディレクトリ内で最大のファイルやディレクトリを見つけるにはどうすればいいですか?

dusorthead コマンドを組み合わせることで確認できます:

du -ah /path/to/directory | sort -hr | head -n 10

このコマンドは、上位10個の大きなファイルやディレクトリをリストします。

インタラクティブなディスク使用量分析ツールはありますか?

はい、ncdu はインタラクティブなコマンドラインツールで、ユーザーフレンドリーなインターフェースを提供します。

  • インストール:

    sudo apt-get install ncdu   # Debian/Ubuntu
    sudo yum install ncdu       # CentOS/RHEL
    
  • 使用方法:

    ncdu /path/to/directory
    

ディスク使用量を確認する際に特定のファイルやディレクトリを除外するにはどうすればいいですか?

du コマンドの --exclude オプションを使用します:

du -sh /path/to/directory --exclude="*.log"

このコマンドは .log で終わるすべてのファイルを除外します。

ディレクトリのディスク使用量をグラフィカルに確認できますか?

はい、Baobab(Disk Usage Analyzer)、QDirStatFilelight などの GUI ツールを使用して視覚的に確認できます。

Linux に Baobab をインストールする方法は?

  • Debian/Ubuntu:

    sudo apt-get install baobab
    
  • Fedora:

    sudo dnf install baobab
    

du コマンドと df コマンドの違いは何ですか?

  • du(Disk Usage): ディレクトリやファイルの使用量を見積もります。
  • df(Disk Free): ファイルシステムで使用可能なディスク容量を報告します。

ディスク使用量の監視を自動化してアラートを受け取るにはどうすればいいですか?

シェルスクリプトを書いてディレクトリサイズを確認し、cron ジョブを設定して定期的に実行します。スクリプトは、しきい値を超えた場合にメールアラートやログ記録を行うことができます。

特定の深さまでディレクトリ内のサブディレクトリサイズを確認するには?

du コマンドの --max-depth オプションを使用します:

du -h --max-depth=1 /path/to/directory

このコマンドは、指定したディレクトリ内のすべてのアイテムのサイズを表示しますが、1階層を超えて探索しません。

du が報告するサイズがファイルサイズと異なるのはなぜですか?

du は実際に使用されたディスク容量を報告します。これは、ファイルシステムのオーバーヘッド、スパースファイル、圧縮などの要因で見かけのサイズと異なる場合があります。

見かけのサイズをディスク使用量ではなく表示する方法は?

du コマンドの --apparent-size オプションを使用します:

du -sh --apparent-size /path/to/directory

ディスク容量を消費する大容量ファイルを見つけて削除するには?

まず、大きなファイルを特定します:

find /path/to/directory -type f -size +100M

このコマンドは、100MB 以上のファイルを検索します。削除する前に内容を確認してください:

rm /path/to/largefile

注意: 重要なデータを誤って削除しないよう注意してください。

ワイルドカードを使用して複数のディレクトリを du コマンドで確認できますか?

はい、ワイルドカードを使用できます:

du -sh /path/to/directories/*

SSH 経由でリモートディレクトリのディスク使用量を確認する方法は?

SSH 経由で任意の du コマンドを実行できます:

ssh user@remote_host 'du -sh /path/to/directory'

ディレクトリサイズを確認するために必要な権限は何ですか?

確認対象のディレクトリやファイルに対する読み取り権限が必要です。適切な権限がない場合、du は特定のディレクトリにアクセスできず、"Permission denied" エラーが表示される可能性があります。

リモートディレクトリのディスク使用量を視覚化する方法は?

Baobab などのツールは、SSH、FTP、Samba などのプロトコルを介してリモートディレクトリをスキャンできます。

du コマンドで複数のパターンを除外できますか?

はい、複数の --exclude オプションを使用できます:

du -sh /path/to/directory --exclude="*.log" --exclude="cache"

特定のファイルのサイズを確認するには?

ls コマンドと -lh オプションを使用します:

ls -lh /path/to/file

または du を使用します:

du -h /path/to/file

追加のツールをインストールせずにディレクトリサイズを確認できますか?

はい、du コマンドは GNU Core Utilities の一部であり、すべての Linux システムにデフォルトで利用可能です。